福祉施設関係

厚生労働省の資料によると、日本の人口は近年減少局面を迎えており、2070年には総人口が9,000万人を割り込み、
高齢化率は39％の水準になると推計されています。
また、団塊の世代の方々が全て75歳となる2025年には、75歳以上の人口が全人口の約18％となり、
2040年には65歳以上の人口が全人口の約35％となると推計されています。
諸外国と比較しても、日本における少子高齢化の動きは継続しており、今後も、人口の推移や人口構造の変化を注視していく必要があります。
それに伴い高齢者向けのデイサービスやデイケアの利用者数も増加していくことが予想されます。

核家族世帯の増加

厚生労働省の資料によると、児童のいる世帯に占める核家族世帯の割合は平成3年は69.4%、平成8年は70.5%、
平成13年は71.2%、平成18年は75.6%というように年々増加しています。
逆に、児童のいる世帯に占める三世代世帯の割合は、平成3年は27.2%、平成8年は26.1%、平成13年は24.7%、
平成18年は21.3%というように年々減少しています。
児童のいる世帯に占める核家族世帯の割合が増える一方、子育て経験を持つ祖父祖母と共に暮らす
三世代世帯の割合が減少しています。

また総務省の資料によると、親族世帯数に占める核家族世帯数の比率の推移は1920年から
2035年まで年々増加しており、2025年には87.8%、2030年には88.5%、そして2035年には89.0%になると
予想されています。
単独世帯を含まない親族世帯の中で見ても、核家族世帯（夫婦のみ世帯、夫婦と子世帯、ひとり親と子世帯）
の占める割合は一貫して増加しており、今後も増加を続けることが見込まれています。

核家族化が増加することにより、子世帯と離れて暮らし老々介護となる高齢者世帯も増加することが予想されます。
しかし、老々介護は介護する側とされる側双方が高齢者のため、体力的にも精神的にも長期的に続けていくことが難しく、
解決策として介護サービスの利用や施設への入居が望まれます。

福祉施設の社会問題

高齢者増加により高齢者福祉施設や介護サービスの需要が増えていく一方で、
働き手の人材不足やそれによる介護難民の増加が課題になってきています。

スタッフの人材不足

介護サービスを提供する側より受ける側の人口が増えてきていることや、
スタッフが少ないことで一人が抱える仕事量や負担が増えてしまい離職をすることで、
業界として人手不足に陥ってしまいます。
また、少子高齢化社会で重要となってくる職業ですが、仕事内容や給与・待遇などの面で応募数が少なく、
その代わり辞職が増えるといった部分も問題となっています。

介護難民

業界の離職率の増加やそれに伴う慢性的な人材不足、現代の核家族化により、
家庭内や施設で介護サービスを受けたい方の受け入れが難しくなり、今後「介護難民」
が増えていくことも考えられます。

スタッフの人材不足や介護難民などの問題により、介護サービスを受ける高齢者世帯と
子世帯が離れて暮らしている場合、定期的に高齢者の様子を見に行けないため、
適切に介護サービスを受けられているのか？きちんと施設に通えているのか？
など不安に感じている方もいるかもしれません。

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