
商品・サービスの申込みに対して購入意欲を高めるのではなく、やりやすくするという方法があります。
例えば、何かの同意を促すため意欲を高める様にマーケティングしたり、広告を打ったりするのではなく、そもそも同意をやりやすくしてあげます。これはハードルを無くすという方法です。
イメージで言うと、ハードルを飛び越えてもらうために、メッセージを作って超えてもらうのではなく、そもそものハードルを無くしてあげる。超えなくても良いようにしてあげれば、こちらが望んだ行動を促す事ができるわけです。
相手に何かをして欲しい時には、こちらから何かを促すのではなく、お客さんがその行動を起こしやすくしてあげるって事です。
このような実験は色々と行われていて、いくつかの成功事例もあります。例えば、
臓器提供の同意の取り方には違いがある
同意率が低い国の場合は、臓器提供をおこないますか?という質問で、同意するようになっています。これは、国によって臓器提供についての同意の取り方に大きな違いがあるんです。
実際に見ていただくとわかるのですが、日本の免許証も「おこないますか?」という質問で記載されています。
つまり、事故したさいに臓器提供をおこないますか?という文言があって、その文言に対して、「おこないます」という意思を表示するということです。
わざわざ、免許証の裏側に、同意するってことを書いて、そして提供する臓器に丸をするという感じです。その結果、平均15%ほどの人が臓器を提供すると。
では、逆に90%近くの人が同意している国はどのようにしているのか?というと、逆の方法で、「臓器提供しない人は、記入してください」という質問形式を取っています。
事故した時に、自分の臓器を提供したくない人は、ここに記載してください。という。嫌なら書いてね。という方法で提供についての同意を得ています。
つまり、同意する率が高い国では、同意するというのがあらかじめ設定されている標準になっています。一方で、同意する率が低い国では、同意しないというのがあらかじめ設定されているということです。
ある会社で、貯蓄プランに加入させるためにやり方を変えたところ、加入率が上昇したデータがあります。
もともとは、その会社は、従業員のうち5割の人が貯蓄プランに登録していました。貯蓄プランの入り方は、本人が入りたい。という形で登録していました。そこから、加入率をあげるために、貯蓄プランに入るのが標準という形に変更しました。
そうすると、新入社員は簡単な貯蓄プランに自動登録され、貯蓄のために天引きされる金額の一部から給与を引き出そうとすると、自分で行動しなければならなくなりました。
給与の3%を天引きされるコースと6%を天引きされるコースの2つありました。結果としては、貯蓄に回されるコース自体には特に重要ではありませんでした。しかし、このプランを標準に装備することが加入率をあげるために非常に重要でした。
貯蓄プランの加入を標準にしたところ、加入率が入社後3ヶ月では35%、1年後では25%、以前の加入率に比べて上回っていました。
貯蓄プランに加入して欲しいなら、簡単な方法にすること。相手の行動を起こしてもらうのではなく、すでに起こした状態を作ってあげるという事です。
米国でリサイクルゴミが増えた理由
アメリカでは、リサイクルゴミの量が目覚ましく増えてきているみたいです。缶やビン、紙などをリサイクルされる量が増えたと。元々は、あまりリサイクルされていなかったのが、急にリサイクルをするようになったと。
成功の秘訣は、報酬や罰則が導入されたことではありません。ゴミで溢れたゴミ捨て場の写真や、環境への利点を並べた説得力あるメッセージを使った大々的なキャンペーンを政府が行なったわけでもありません。
やったことは単純で、道路脇での収集用のゴミ箱の隣に、特別に色分けされた容器を置くようにしただけです。
これまでリサイクルするには、リサイクル可能なモノを保管し、分類し、最寄りのリサイクルセンターに車で運び入れなければいけませんでした。
それが、家のまえにリサイクルのゴミ箱ができたことによって、リサイクルゴミを出すことが簡単になり、一気にゴミの量が増えたということです。
お客さんに自分の望む行動を起こすには?
多くの人が、お客さんに行動を起こしてもらうには、つい「メッセージを変えて、伝えないと」「もっと良いメッセージを伝えるべきだ」「相手のモチベーションをあげるための言い方を見つける」といった、メッセージでなんとか行動を起こしてもらおうとします。
ハードルを飛び越えてもらうためにメッセージを伝えてる状態です。しかし、もっと簡単にお客さんに行動を起こしてもらうには、ハードルを飛び越えてもらうのではなく、そのハードルを無くしてあげること。つまり、相手が行動する際の障害を除去してあげることです。
臓器提供では、「同意する」という行動をするのが面倒なので、逆に同意することを標準にした。
貯蓄プランに加入させるために、加入するという行動を取らせるのではなく、最初から加入している状態にした。
リサイクルゴミを増やしてもらうには、リサイクルセンターに来てもらうのではなく、ゴミ置き場にリサイクルゴミを入れる場所を作った。
あなたが商品・サービスを買って欲しいなら、お客さんが買うときに障害になっていることはないですか?販売ページは買いやすくなっていますか?わかりやすくなっていますか?迷わず購入できる流れになっていますか?
もし、もっと反応を上げたい、商品を売りたいのであれば、売り方やメッセージを変える前に、お客さんが起こす行動を邪魔する障害は何か?を見つけて、取り除くことを考えてみてください。メッセージを変えるよりも簡単にできるはずです。
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